藤沢五月「マイナーだった」カーリング布教への熱い思い 人気沸騰も受け皿足りず「心苦しかった」25年の日本選手権は初の首都圏開催

 日本カーリング協会は26日、横浜市内で記者会見を行い、2025年の日本選手権を横浜BUNTAIで開催すると発表した。これまでの大会は北海道、青森県、長野県で行われており、初の首都圏アリーナでの開催。同大会は2026年ミラノ・コルティナダンペッツオ五輪の代表選考会を兼ねる。

 同協会のアスリート委員長を務める、22年北京五輪で銀メダルを獲得したロコ・ソラーレのスキップ・藤沢五月は、会場を視察したといい、「まず大きいのが印象的。(4月にリニューアルオープンした)新しい施設なので本当にきれい。大きい30メートルのスクリーンは本当になかなか見ないので圧巻でした」と好感触。「会場の雰囲気が、平昌オリンピックの時とすごく似ているなと思いました。カーリングは観客のみなさんあってこそ、すごく見やすいんじゃないかなと思いました」とプレゼンした。

 交通の便もよく、これまで大会が開催されてきたカーリング専用施設では100~200人しか収容できなかった観客が、20倍以上収容できることになる。ロコ・ソラーレの一員として、18年平昌五輪銅メダル、22年北京五輪銀メダルと活躍してきた藤沢は、競技の人気沸騰を一番感じる立場にいただけに、その熱量の受け皿がないことにもどかしさを感じていたという。

 「カーリングって今までマイナースポーツだった。オリンピックで初めて見る方だったりとか、オリンピックを通じてカーリングを知ってもらう機会が多かった中で、オリンピック直後が一番、カーリングをやってみたいと、本当にたくさんの方に言っていただける。でもそれが今までの環境だと難しかった」

 体験会を開催すればすぐに定員に達し、注目大会では「席が取れなかった」と落胆する声も聞いた。「心苦しい気持ち」もあっただけに、「関係者全員がうれしいアナウンスだったかなと思います」とも喜んだ。

 競技の将来にも意味のある大会になる。今大会は、温度変化などが少なくなるように作られた専用施設とは異なり、アリーナで行われる。氷の状況が大きく変化することも想定されるが、海外での試合はアリーナ開催が多いことから、世界と戦う上でも経験を積める大会になる。競技に触れる子供が増えることで、「始めるきっかけにもなる。将来的に活躍する選手は小さい頃からやっている方がいいんんじゃないかなと思う」と、次世代育成にもつながる。さらには、29年世界選手権の横浜開催も目指していくという。

 国内では観客の少なさもあり、静かに見守られることが多かったが、海外では観客が声援を送る場面も多々ある。藤沢も「お祭りのように楽しんでいただけたら、観客のみなさんも試合を見ながら飲食ができる環境にさせていただけるとのことだった。みなさんもぜひ“モグモグ”しながら試合を見て楽しんでもらえたら」と、ハーフタイムに軽食を取る姿が話題になった“モグモグタイム”になぞらえて宣伝。「ロコ・ソラーレのみんなは本当に食べることが大好き。横浜の中華街とか、私は何回か行ったことがあるんですけど、チームでまた行けたらいいなと思いながら、逆にオススメを横浜市民のみなさんに教えていただきたいなって思ってます」と笑った。

 チームとしては大一番となる。ロコ・ソラーレは五輪選考で出遅れており、25年大会で最低でも3位以内、状況によっては優勝することが五輪への必須条件となる。「関東、首都圏のみなさんはなかなかカーリングできる機会も、トップ選手がやっているのを生で見る機会も正直少なかったので、カーリングに触れ合ってもらえたら」と呼びかけ、「世界一のパフォーマンスで盛り上げたい」と逆転五輪切符へ意気込んだ。

 ◆カーリング・五輪への道

 五輪日本代表候補チームは①24年日本選手権優勝(女子はSC軽井沢ク、男子はコンサドーレ)、②24年世界選手権出場(女子はSC軽井沢ク、男子はコンサドーレ)、③25年日本選手権優勝、④25年世界選手権出場、⑤25年日本選手権直前のWCFチームランキング最上位チームかつ24年、25年日本選手権のいずれかで3位以内となったチーム、の中から選考する。いずれかを満たすチームが1チームしかない場合はそのチームが日本代表候補となる。複数ある場合は25年9月末までに該当チームで代表候補決定戦を行う。

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