引退電撃発表の宇野 飾らず率直な言動に垣間見えた苦労「心の底から湧き上がるモチベーションがなかった」 自由な生き方を体現

 フィギュアスケート男子で五輪2大会連続メダリストの宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が9日、自身のインスタグラムを更新し、現役引退すると電撃発表した。世界選手権で日本男子初の2連覇、日本フィギュアスケート界最多となる3つの五輪メダルを獲得するなど、数々の偉業を成し遂げてきた日本のエース。14日に記者会見を行い、自らの口で引退への思いや今後の活動について説明する。

  ◇  ◇

 宇野ほど自然体でいられる選手も珍しい。銀メダルを獲得した18年平昌五輪では「特別な実感はないです」、「メダルを特に大事に扱おうとは思っていない。触りたい人に触ってもらえたら」とあっけらかん。ただ、その飾らない素直な言葉で、人々に愛されてきた。

 それでも率直な言動だからこそ、近年は苦労が垣間見えていた。23年5月には「(22年-23年シーズンは)心の底から湧き上がるモチベーションがなかった」と告白。その後、今季のグランプリ(GP)シリーズ2戦、GPファイナルでは全て若手に頂点を譲って2位となった。同年12月の全日本選手権後には、世界選手権に向けて「競技人生に悔いを残したくない」と、現役生活の終わりを見据えているかのような発言も飛び出した。

 世界選手権では4位となったものの、ショートプログラム(SP)では今季世界最高の107・72点を出すなど、王者としての貫禄を見せた。五輪まであと2年、まだまだやれる-。そう思わせて引退するのが、宇野らしい自由な生き方を体現しているようだった。(デイリースポーツ・フィギュアスケート担当・田中亜実)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス