日本スケート連盟は２８日、フィギュア男子の高橋大輔（２７）＝関大大学院＝が練習中に負傷し、ＧＰファイナル（１２月５日開幕・福岡）を欠場すると発表した。代わりに補欠の織田信成（２６）＝関大大学院＝が繰り上がって出場する。高橋は２６日の練習中に右足を痛めて精密検査を受け、右脛骨骨挫傷で全治２週間と診断された。今後はソチ五輪代表最終選考会の全日本選手権（１２月２１日開幕・埼玉）を目指すが、３大会連続の五輪出場へ大ピンチに陥った。

　日本のエースを、まさかのアクシデントが襲った。関係者によれば、高橋は現在、氷上練習をやめてケガの回復に努めている。３週間後に迫った五輪代表最終選考会の全日本選手権出場を目指すが、万全で臨むことは難しいと見られている。

　今季限りでの現役引退を表明している高橋にとって、集大成となるソチ五輪出場へ大ピンチだ。出場枠３をめぐる男子の争いは大混戦。ＧＰファイナルに出場する町田、羽生、織田に加え、実力者の小塚、無良は全日本での一発勝負に懸けてくる。現時点で、今季の日本勢最高得点を持っている高橋といえども、代表入りへは全日本で上位に食い込む必要がある。

　高橋は日本連盟を通じて「練習ができない状況を焦らない選手はいないので、自分の気持ちを救うのも追い込むのも自分次第だと思っています。自分をポジティブに導き、この状況に目を背けずに向き合い、スタッフとも相談しながら今できることを精一杯やろうと思います」とコメントを発表した。

　日本人最上位のメダリストとなれば、五輪へ大きく前進するＧＰファイナルを無念の欠場。かつては、右ひざの前十字靱帯（じんたい）断裂を乗り越え、バンクーバー五輪で銅メダルを獲得した。日本の不屈のエースは、再び奇跡を起こせるか。