松中、帆足の人的補償でプロテクト漏れ「生え抜き2000安打を目指して」と言われるも
【2012年1月7日付デイリースポーツ紙面より】
ソフトバンクの松中信彦外野手(38)が、西武からFA権を行使した帆足の獲得に伴う人的補償のプロテクト名簿28人から外れていることが6日、分かった。代理人の高橋博美弁護士が明らかにした。この日、福岡空港から自主トレ先のグアムに出発した松中だが、現役唯一の3冠王が、補償で西武に移籍する可能性も出てきた。
連続日本一への思いを強く持つ松中だが、気になるのは帆足獲得に伴う人的補償の名簿だ。ソフトバンク側の若手有望選手を優先する方針もあり、当初からプロテクト漏れの可能性をささやかれていたが、代理人の高橋弁護士は「(プロテクト28人からの)除外は間違いない」と明言した。
ソフトバンクとは同代理人が昨年末に交渉の場を持ち、説明を受けた。球団から「生え抜き選手として(残り269本の)通算2000本安打を目指して欲しい」との言葉をもらったという。
石渡編成・育成部長はプロテクト漏れについて明言を避けたが「彼はうちの宝ですから」と話す。戦力外ではなく、名簿からの除外は戦略上の苦渋の判断だったもようだ。ただし、ルール上、西武が松中を求めれば流出はやむを得ず、ソフトバンクはそうならないことを切に願っている。
松中自身は「僕が決めることではない。球団の状況もあるだろうし」と、この点に関しては冷静。06年1月に7年契約を結び、今季が最終年。「(契約が)もめているわけではない」と、帰国する今月末に1年契約での更改が濃厚となっている。
昨季は前半戦、代打でアピールし、夏場に定位置を獲得。シーズン終盤、右膝に死球を受けて骨折したが、打率・308で存在感を示した。
「今年は遠慮なくレギュラーを取る気持ちでやる。3割20本を打てればと思う。しっかりと開幕を見据えてやっていきたい」。鷹の主砲は不退転の決意で2012年シーズンに臨む。