【２０１１年６月１１日付デイリースポーツ記事より】

　巨人・阿部慎之助捕手（３２）が３日、グアム自主トレのため成田空港から出発した。恒例の自主トレに初参加する大田泰示内野手（２１）を心身ともに徹底的に鍛えることを宣言。坂本も参加した“Ｇ版虎の穴”で未完の大器をレギュラー外野手に育てるつもりだ。

　かわいい後輩のために一肌脱ぐ。阿部が、恒例のグアム自主トレに初参加する大田を“強化指定選手”に指名した。大田は今年、外野手として出場する予定の未完の大器。「外野の争いは大変だけど、レギュラーを張るつもりでやらないと！」とゲキを飛ばした。

　その潜在能力は認めている。「すごいものは持っているだろうから」。昨年の大田の１軍出場は１２試合。鳴り物入りで入団したスラッガーも今年は勝負の４年目。主将の阿部は「（大田に）『今年ダメだったら野球を辞める気持ちでやれ』と言った」と明かした。

　プレッシャーをかけるだけではない。自主トレでは自ら作成した練習メニューで徹底的に鍛えあげる。「走る量は、何年もやっている中で一番多いと思う。量だけは促す」。外野の守備練習では「（大田に）ノックを打つよ」と予告した。

　“特訓”は、トレーニングだけではない。自主トレ中の雑用も任せる。「エビの皮むきからだね」。雑用をこなすことで、大田に精神面の鍛錬をさせたい考えなのだ。

　阿部のグアム自主トレは、まさに“虎の穴”だ。昨年のグアム自主トレ参加後に長野は首位打者、藤村は盗塁王を獲得とブレークした。坂本も阿部の指導を受けて成長してきた経緯がある。

　原監督が今年は大田を「８番」で起用する考えを示しており、本人にとって大チャンス。この日、阿部らと一緒にグアムへ出発した大田自身は「今年はやります」と決意をみなぎらせた。周囲の大きな期待に必ず応えてみせる。