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“山の神”柏原、周回遅れ…13位デビュー

 苦しそうな表情を見せて走る柏原竜二(撮影・保田叔久)

 「兵庫リレーカーニバル兼ロンドン五輪代表選考会第1日」(21日、神戸ユニバ)

 グランプリ決勝の男子1万メートルなどが行われ、社会人デビューとなった“山の神”柏原竜二(22)=富士通=は、28分50秒97で13位に終わった。清水大輔(29)=カネボウ=がロンドン五輪の派遣標準記録B(28分5秒00)を突破する27分50秒50で、日本人トップの3位。すでにロンドン五輪派遣標準記録Aを突破している宮脇千博(トヨタ自動車)は4位に終わった。大会記録保持者のM・マサシ(スズキ浜松AC)が27分35秒16で優勝した。

 箱根で栄光を極めた男にとって、ややほろ苦い実業団デビューとなった。スタートから果敢に先頭集団に食らいつき、ケニア人ペースメーカー2人に次ぐ3番手につけた柏原だったが、周回ごとに順位を下げていった。歯を食いしばりながらの走りも、最後は優勝したマサシに周回遅れにされ13位。「粘れなかった。情けないレースをしてしまった」と、レース後は悔しそうな表情で足早に控室へ消えた。

 4月に実業団の富士通に入社。ただ、4月3日から10日までは午前8時40分から17時半まで会社の研修があり、満足な練習を積めなかったという。同社の福島監督は「疲れもある中でもあったし、しょうがない」と、思いやった。

 研修も終了し、今後は本格的な練習を積みながら5月12日の延岡ゴールデンゲームズ(宮崎)で記録を狙う。「今年はロンドン五輪があるので、無謀と言われようが、全力で狙っていきたい」。ほろ苦い第一歩となったが、これも経験。“神”と呼ばれた男の本領発揮は、まだまだこれからだ。

(2012年4月21日)

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