“大人の”遼、首位と3打差の4位浮上
「中日クラウンズ・第2日」(2日、名古屋GC和合コース=パー70)
石川遼(22)=CASIO=が6バーディー、4ボギーの68で回り、首位と3打差の4位につけた。初日60をマークした松村道央(30)=吉野電化工業=は3バーディー、4ボギーの71で回って通算9アンダーとし、67をマークした金亨成(韓国)と並び首位を守った。前週優勝の藤田寛之は6オーバー、67歳の尾崎将司は5オーバーで予選落ちした。
出入りの激しいラウンドでも、首位との差を3打に縮めた。じわりと地力を発揮した石川は「内容は落ち着いていた。ここで終われたことで多少、余裕につながっていく」と風格を漂わせた。
最終18番は残り137ヤードからの第2打をウエッジで1・5メートルへぴたり。この日6個目のバーディーで締めくくった。この日、ドライバーを握ったのは3度でフェアウエーからピンを攻める堅実さを重視。強くなった風の影響などで4ボギーをたたいたが、大人のゴルフを披露した。
2010年のこの大会で、当時世界主要ツアーで最少記録となる「58」をマークした時は、強気のゴルフで攻めまくった。曲がりも恐れずにドライバーを振り回し、少しでもグリーンに近づける作戦で偉業を打ち立てた。
しかし、あれから4年。世界最高峰の米ツアーを戦う中で石川のゴルフは、よりスコアメークを重視したものへと変わりつつある。
決勝ラウンドへ向けて繰り返した言葉は「ニュートラル」。米ツアーで上位争いを重ねた経験から心に波風を立てないことの重要性を学んだ。「スイッチをオン、オフにせず、何も変えない」プレーを強調した。
「ゆっくりいくのか、攻めていくのか、周りを見ながら」。冷静に不敵に逆転優勝への道筋を描いた。