【舩越園子の目】外国人選手Vに思う
「全米オープン選手権・最終日」(15日、パインハースト=パー70)
69で回ったマルティン・カイマー(29)=ドイツ=が第1日からの首位を守り、通算9アンダーで優勝した。
カイマーには母国のツアーがない。だから彼が出場する試合はほとんど外国だ。自分が勝てば開催国の人々はどう感じるか。その反応を常に肌で感じながら戦い続けてきた。10年全米プロでも今年のプレーヤーズ選手権でも「外国人の僕が勝ってごめんね」と思いながらトロフィーを掲げた。
だが、今大会はこう言った。「ここは外国だけど彼らは声援をくれる。それが僕の支えになる。母国で戦うより“彼らの国”で戦うほうが難しいのは当たり前。だからチャレンジなんだ」
今大会では松山にも「ヒデーキ」の声援がところどころで飛んでいた。2週前のメモリアル優勝で知名度は格段にアップした。その声援が「ありがたい」「支えになる」と自然に感じられるころ、きっと松山もメジャー優勝に手が届く。カイマー優勝を眺めながら、そんなことを思った。(在米ゴルフジャーナリスト)