笠3年ぶりV「気持ちいい、最高です」
「アクサ・レディース最終日」(29日、UMK・CC=パー72)
プロ10年目の笠りつ子(27)=京セラドキュメントソリューションズ=が通算7アンダーで並んだイ・ボミ(韓国)とのプレーオフを制し、12年ヤマハレディース葛城以来のツアー通算3勝目を挙げた。18番で行われたプレーオフは1、2ホール目はともにバーディー。3ホール目はパーだったイ・ボミに対し、笠はバーディーを奪った。
神懸かりとはこのことだ。笠のパットが面白いように決まる。プレーオフ1、2ホール目は5メートルをど真ん中から沈め、迎えた3ホール目。イがバーディーパットを外した後、3メートルを鮮やかに沈めた。両手を青空に突き上げ歓喜のポーズ。グリーン横で見守っていた親友の飯島茜の元に駆け寄ると、感極まって涙を流した。
「プレーオフは好きではなかったけど、やってみたら楽しかったです。気持ちいい。最高です」
12年のヤマハレディース葛城以来、丸3年ぶりの美酒。勝てない間はスイングに悩み、昨年5月には練習場で1球打つのに30分かかるほど迷った。
トンネルの出口はオフのタイ合宿で見つけた。故郷熊本の先輩で引退した古閑美保に相談すると、現地まで飛んで来てくれた。「まだ下手くそなんだから悩む必要はないって言われ、気持ちが楽になった」と振り返った。
大会前にコースに来た片山晋呉にアプローチ指導を受けたことも即効性があった。「球を右に置くとか基本のこと。優勝したらオレのおかげと言えと片山さんに言われた」とうれしそうに告白した。
今季の目標は賞金1億円。「だって億って格好いいじゃないですか。お札の束を見てみたい」。開幕4戦目の優勝で現実味が出てきた。