“ぽっちゃり王子”古田2差11位好発進
「ISPSハンダグローバルカップ・第1日」(25日、ヴィンテージGC=パー72)
プロ1年目の元「ぽっちゃり王子」、古田幸希(23)=フリー=が首位と2打差の11位と好スタートを切った。今季5戦のうち、4戦予選落ちという苦境をバネに4バーディー、1ボギーの68で回り、一気に上昇気流をつかんだ。首位には5アンダーの手嶋多一(46)、矢野東(37)ら5人が並んだ。
上がりの9番で1・5メートルのパットをねじ込むと、古田は空を見上げてホッと息を吐いた。「8番で(バーディーを)取れて良い流れだった。どうにか取りたいと思っていた」。会心の連続バーディーで締めくくった。
ジュニア時代には石川遼と並び称され、「ぽっちゃり王子」のニックネームで話題を集めた。天真らんまんな少年もいまや23歳。東北福祉大時代は松山英樹からゴルフ部主将の座を引き継ぎ、部員を引っ張ってきた。中学3年時に169センチ、84キロだった体は173センチ、74キロのアスリート体形に変貌を遂げた。
だが、今季迎えたルーキーイヤーの船出は苦難が続いた。開幕戦こそ38位だったが、その後は4戦連続で予選落ち。「実力以上のものを求めたり、追い詰めすぎたりして、自分自身のゴルフを見失ってしまった」。どん底でもがき、苦しんだ先に、ようやく成長の一歩があった。
「明日も今やれることをやるだけです」。世界の強豪が集まった今大会。持てる力を存分に発揮し、ひたすら上を目指す。