松村、強風を味方に4打差を逆転し優勝

 「男子ゴルフ・ブリヂストンオープン・最終日」(25日、袖ケ浦CC袖ケ浦=パー71)

 首位と4打差の7位から出た松村道央(32)=吉野電化工業=が1イーグル、4バーディー、2ボギーの67で回り、通算9アンダーで逆転優勝した。2014年3月のインドネシアPGA選手権以来、約1年7カ月ぶりとなるツアー通算5勝目。首位から出た堀川未来夢(22)=フリー=は73と振るわず、2打差の2位に終わった。

 首位と1打差で迎えた16番パー5。松村はグリーン手前ラフからの第3打を58度のウエッジで直接沈めた。「いつもなら寄せに行くけれど、リードされていたので狙いにいった」。追いつき、一気に追い越す会心のイーグル。「優勝カップに手が届いた」と確信する一打となった。

 最大瞬間風速15・7メートル。秋晴れの袖ケ浦には朝から強い北風が吹きつけ、上位陣のスコアは軒並み停滞。しかし、松村は「最近は風の強いラウンドで良いスコアが出ている。だから、風でラッキーだなと。風はウエルカムでやれた」という。

 今季は開幕12戦で予選落ちが7度。悩み、苦しみながら、9月のANAオープンで5位、ダイヤモンド杯では4位と、秋になってようやく上位に食い込んできた。他の選手には牙をむく風が松村の背中を押し、「戦える手応え」という自信まで運んできてくれた。

 最終組で火花をぶつけ合った片山、堀川の2人の日大OBにも感化され、もう1人の日大出身者が間隙(かんげき)を突いた。「最近は東北福祉大(出身)の選手が強いけれど、まだまだ日大も強いと見せられてうれしい」と松村。日大ゴルフ部の現役部員約20人が応援に駆けつける中、最後に笑ったのは32歳の伏兵だった。

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