1本の電話から…5位の田村尚之が失格
「男子ゴルフ・日本シニアオープン選手権・第3日」(31日、白山ヴィレッジGC=パー72)
通算4アンダー、5位の成績で第3日を終えた田村尚之(51)=ダイクレ=が、ドライバーの適合違反で競技失格、この大会の順位を取り消されてしまった。地クラブ(地方の中小)メーカー側の手続きミスが原因で、何とも気の毒な処分だった。連日の69をマークした平石武則(55)=大山GC=が通算8アンダーで単独首位に立った。
ウキウキで第3日を終えた田村を待っていたのは、まさかの失格宣告だった。発端は第2日終了後、大会本部にかかってきた一本の電話。「田村選手の一ファンです。わたしも田村選手と同じドライバーを使っていますが、R&Aのリストにこのドライバーは入っていないのですが、確認できますか」というもの。
世界中のゴルフ競技は英国のセントアンドルーズに本拠を置く、ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セントアンドルーズ(R&A)などが定めたルールに則って行わなければならない。大会関係者はR&Aに問い合わせ、リストに載っていないことを確認。田村は失格となった。
競技に使えるドライバーヘッドには、反発係数などの基準を満たし、R&Aから適合証明の「裁定書」がなければならない。その裁定書が送られた時、同時に「適合リスト」にいつ記載していいのかを、メーカーはR&Aから聞かれる。今回、メーカーはその期日を空白で出してきたという。メーカーからの田村への説明は「適合証明書はもう手元にある。いずれリストにも記載される」というもの。適合はしたが、リストには記載されないままこの日を迎えてしまったというわけだ。
「いい成績でいい順位につけているのだがら、自分を納得させることはなかなかできない。ショックは大きい。でもルールはルールですから。仕方ないです」。大会からの説明に対し、田村は疲れた表情で、答えたという。故意ではないため、過去の大会の順位、獲得賞金は有効だが、悔やんでも悔やみきれないメーカー側の不手際だった。