36歳・安山プロ初V 春の嵐に耐えた

 「デイリー主催・兵庫県オープンゴルフレディース」(7日、吉川CC=パー72)

 激しい風雨の中で行われ、ツアー参戦2年目の安山茜(36)=フリー=が5バーディー、3ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギーの75で回り、プロ初優勝を飾った。竹内美雪(20)=フリー=とともに1打差の2位に入った高校2年の王天ヨ(16)=六甲=がベストアマを獲得した。安山は優勝賞金60万円と副賞のステップアップツアー(下部ツアー)、山陽新聞レディースカップ(9月16~18日、岡山・東児が丘マリンヒルズGC)の出場権を手にした。

 横殴りの雨が容赦なく襲いかかる。“春の嵐”にスコアを大きく崩す選手が続出する中、我慢比べの戦いを制したのは36歳の遅咲き、安山だった。

 「プロになって初めての優勝なのですごくうれしい。調子はすごく悪かったけど、パターがよく入ってくれたおかげで勝てました」。優勝賞金60万円のボードを高々と掲げ、笑顔をはじけさせた。

 前半インは大きめのクラブで抑え気味に打つ“風対策”が功を奏して1アンダーで折り返した。しかし、後半2番でフォローの風に乗った2打目がグリーンオーバーしてOB。トリプルボギーをたたき、前半の貯金を一気に吐き出した。

 このまま崩れてもおかしくない展開だったが「この天気で苦しいのはみんな一緒。自分だけじゃない」と気持ちを切り替え、直後の3番でバーディー。その後、ダブルボギーもあったが、集中力は切らさず1打差で逃げ切った。

 初めてツアー参戦を果たしたのは35歳という異色の経歴を持つ。ジュニア時代は数々のタイトルを手にして同世代のトップ集団を引っ張っていたが、近大を経て兵庫県内のゴルフ場で研修生をしながらプロテストを受け続けたものの、なかなか合格できなかった。

 転機は4年前。テレビで見た韓国トッププロのチェ・ナヨンの美しいスイングに衝撃を受けた。「自分もあんなスイングがしたい」。勤務していたゴルフ場を退社し、すべての時間を自分のゴルフに費やすことを決意。2年前のツアー予選会で結果を残し、昨年から下部ツアーを主戦場にプレーしている。

 「36歳という年齢は考えないようにしている。今まで多くの経験を積んできた分、技術を上げれば、チャンスはあると思う」。目標はレギュラーツアーへの参戦。遠回りしながら、ようやく手にしたプロ初優勝を飛躍の足掛かりにする。

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