有村「動けなかった」地震で大会中止に

 熊本県菊陽町の熊本空港CCで15日から開催予定だった女子ゴルフのKKT杯バンテリン・レディース(賞金総額1億円、優勝1800万円)は、熊本県益城町で震度7を記録した14日の地震を受けて中止となった。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は15日未明に大会初日の中止を発表、さらに同午前10時、トーナメント全日程の中止を決定した。来週フジサンケイ・レディース(静岡)は予定通り開催する方針。

 5年前の東日本大震災を機に作られたという、LPGAの一斉連絡メールシステムが稼働した。早朝6時半と9時、2度にわたる協議の末、出場選手たちに送られたのは「安全確保のため大会中止」の一報だった。

 10時半を過ぎると、ポツリポツリと選手たちがコースにやって来た。前日までの精算や、ロッカーに置いていた荷物やクラブを引き揚げるためだ。今季のミーティング委員長を務める一ノ瀬優希(27)は、震源の益城町に隣接する御船町に自宅がある。「部屋中に落ちた物が散乱していて靴を履かないと入れない状態です。最初は大家さんの家に避難して、午前1時過ぎから車で仮眠をとったけど、ほとんど眠れてません」と声を震わせた。

 益城町隣接の嘉島町に一軒家を構える有村智恵(28)も「マッサージを受けている最中だったんですが、もうベッドの上にしがみついて動けなかった。仏壇や大きな棚も倒れて、ガラスが飛び散っている状態。いったん城南町の知人宅に避難、明け方に家に戻りました」と前夜を振り返った。

 JR熊本駅に近いタワーマンションに住む青山加織(30)は、高層階で被災し「揺れは尋常じゃなかった。本当に怖かった。少し落ち着いてから階段で30階分以上歩いて下りたんですけど、ずっと足の震えが止まりませんでした」と語った。

 遠征中の選手も含め、口をそろえて「大会中止は残念だけれど仕方ない。これから話し合い、義援活動も考えていくと思う」とし、それぞれの帰路についた。

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