松山、リオ五輪出場辞退 ジカ熱や治安を懸念
男子ゴルフの松山英樹(24)=LEXUS=が3日、ジカ熱への懸念などを理由にリオデジャネイロ五輪に出場しない意向を明らかにした。世界ランク1位のジェーソン・デー(オーストラリア)ら複数の有力選手も出場を辞退しており、日本の第一人者としてメダル獲得が期待された松山も苦悩の末に辞退することを決断した。
苦渋の決断だった。世界選手権シリーズのブリヂストン招待が行われた米オハイオ州アクロンの会場。ラウンドを終えた松山は報道陣に囲まれると、正面を見据えてきっぱりと言った。「やめます。出ません」。理由については「ジカ熱もあるし、虫に刺されてアレルギー反応が出てプレーできなくなるのが一番困る」と話した。
マネジメント会社を通じて出した文書では「五輪で活躍することにより競技発展に大きく寄与できることは重々承知している。しかしながら、開催地におけるジカ熱および治安に関する不安を十分に払拭できなかった」と述べた。
112年ぶりに五輪に復帰するゴルフは11日の世界ランキングをもとに出場選手が決まるが、男子ではデーのほかにもロリー・マキロイ(英国)、アダム・スコット(オーストラリア)ら複数のトップ選手がジカ熱への懸念などを理由に出場辞退を表明している。
男女2人ずつが出られる見込みの日本は松山が世界ランク17位で1番手。2番手には3日のセガサミーカップで優勝した谷原が浮上したが、こちらも「身の危険を感じてまで行く気はしない。テレビでの怖い情報しかない」と辞退の意向を示した。3番手の池田勇太は出場に意欲的だが、4番手の片山晋呉は態度を保留中。代表選びは混沌としている。
日本代表の丸山茂樹ヘッドコーチは、松山から電話で不参加を伝えられたことを明かし「いろんなことを踏まえた上での苦渋の決断。尊重したい」と話した。倉本昌弘・五輪競技対策本部強化委員長は「とても残念。メダル獲得が期待できる選手だったのでぜひ出場してほしかったというのが正直な思い」とショックを隠せなかった。