【舩越園子の目】マキロイがキレた!本当は報われないクラブ破壊
「全英オープン・第3日」(16日、ロイヤルトルーンGC=パー71)
初日から我慢のゴルフを続けていたローリー・マキロイが3日目の16番でついにキレた。フェアウエーで握った3Wでミスショット。怒りに任せて放り投げた3Wは硬い地面に叩きつけられ、ヘッドとシャフトが空中分解しながら飛んでいった。
「あの3Wはもともと、ヘッドがゆるゆるだったんだ。まあ、僕が投げたせいでもあるけど」と苦しい言い訳をしたが、英国メディアは「一生懸命続けてきた筋トレがようやく報われた」と皮肉る記事を早々に出した。
壊すと言えば、この日、単独首位に浮上したヘンリック・ステンソンにも破壊の“前科”がある。2013年の米ツアーのBMW選手権最終日に74と崩れ、ロッカールームでクラブを振り降ろし、ロッカーを破壊。その翌週のツアー選手権で優勝し、総合優勝も果たしたが、「あの一撃が報われた」と嫌みたっぷりに書き立てられた。
“破壊活動”はフラストレーションの一時的な解消になるかもしれないが、やったらやったで選手自身が手痛い批判や非難を浴びる。長い人生で噛み締めてきた苦しみや痛みのすべてを払拭してくれるものは“一撃”ではなく、優勝の“二文字”。明日、その“二文字”で報われるのは、果たして誰だろう。
(在米ゴルフジャーナリスト)