岩元 恩人の前での2週連続Vに男泣き プロ初優勝からわずか4日

 「男子ゴルフ・兵庫県オープン・最終日」(10日、センチュリー三木GC=パー72)

 トップと1打差の2位から出た岩元洋祐(32)=加古川GC=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算11アンダーで大会初制覇を果たした。前週の南都オープンに続く2週連続優勝となった。首位から出た山崎宏(32)=聖丘CC=は通算8アンダーの3位に終わった。ベストアマは通算6アンダーで12位に入った石過(いしか)功一郎(17)=クラーク記念国際高3年=が獲得した。

 プロ11年目にして悲願の初優勝を飾った南都オープンからわずか4日。岩元が鮮やかな逆転劇で2週連続優勝をやってのけた。最終18番、約80センチのウイニングパットを沈めると右のコブシを力強く握りしめた。

 南都オープンの好調さを、そのまま今大会に持ち込んだ。初日は66で回り2位。この日も前半で4つ伸ばして首位に浮上した。14番パー4では第1打を右へ曲げて2打目はフェアウエーに戻すだけ。残り141ヤードの第3打をピン右1メートルにつけてピンチを脱出すると、16番も1・5メートルの微妙なパーパットをきっちりと沈めて優勝をたぐり寄せた。

 「緊張する場面でも南都での経験が自信になって落ち着いてプレーできた」。南都オープンでは特別ボーナスも含めて賞金400万円を手にし、今大会では200万円。10月に第一子を出産予定の絵梨夫人(26)は「また優勝するなんてびっくりです。お腹の子供も喜んでいるのか、すごく動くんですよ」と、うれしそうにお腹をさすった。

 もう一人、勝利を贈りたい人がいた。今大会の特別協賛社、イングホールディングスの岡崎輝満・代表取締役ファウンダー(74)は長年、岩元ら地元の若手プロの面倒を見てきた。岩元は「結果が出なくても、ずっと応援してくれたのが岡崎さんでした。岡崎さんの前で勝ちたい、喜んでもらいたいという思いがやっとかないました」と男泣き。表彰式に来賓として出席していた岡崎ファウンダーも感無量の面持ちだった。

 レギュラーツアーのライザップKBCオーガスタ(8月25日開幕)に出場することが決まっている。「この優勝を弾みに、ツアーでもしっかりと結果を残したい」。地元兵庫で飾った2週連続優勝の自信を胸に、無名の32歳が飛躍の時を迎えようとしている。

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