石川遼 復活Vに王手 ショット不安定でも…絶妙アプローチで単独首位守る
「男子ゴルフ・RIZAP・KBCオーガスタ・第3日」(27日、芥屋GC=パー72)
石川遼(24)=CASIO=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算12アンダーで単独首位を死守。腰痛によるブランクからの復活を告げる通算14勝目に王手をかけた。小田龍一とブラッド・ケネディ(オーストラリア)が2打差の2位。4位から出たアマチュアの清水大成(17)=東福岡高3年=は81と崩れ、通算1オーバーの48位へ後退した。
ショットが不安定なら小技がある。石川が絶妙のアプローチを駆使して、単独トップを守り抜いた。1パットパーは8ホールを数え「今日はショットではいいスイングができなかったけど、アプローチで自分をしっかりコントロールできた」と自己分析した。
見せ場は14番パー4だった。残り40ヤードの第2打をピッチエンドランでカップの手前1センチに寄せ、難なくバーディー。一瞬、チップインイーグルを確信し、その場にひざまずいた。惜しくもカップに入らず苦笑いを浮かべたが、大勢のギャラリーを沸かせた。
18番パー5でも魅せた。強風の影響で第3打を大きくショートし、グリーン手前のバンカーにつかまった。左足上がりのライだったが、ピン奥1・5メートルに寄せ、大きく曲がるスライスラインを入れてパーをセーブした。
この日は大きな発奮材料が米ツアーから発表された。11月のW杯に同学年の松山英樹と組んで出場することが決まった。今月中旬に松山から誘いの連絡が入り「何とかあと3カ月で仕上げてくれ」と言われたという。「英樹と組んで出たい気持ちが強かった」と二つ返事で出場を快諾。同時期に国内ではホスト大会のカシオワールドオープンが開催されるが、所属先のカシオに丁重に断りを入れて理解を得た。
最終日は2位と2打差でスタートする。逃げ切れば09年サン・クロレラクラシック以来2度目の完全優勝となる。「英樹に安心してもらえるように、1試合でも多く結果を残したい」。腰痛で苦しんだ時期を乗り越え、石川がいよいよ復活を告げる。