片岡V「姉さん」伊能恵子さんも涙…キャディーは天職!?測量家・忠敬の子孫
「男子ゴルフ・トップ杯東海クラシック・最終日」(2日、三好CC西C=パー72)
片岡大育(27)=Kochi黒潮CC=がボギーなしの6バーディーで回り、通算16アンダーで昨年5月の関西オープン以来となるツアー通算2勝目を挙げた。
片岡が勝利のパーパットを沈めた瞬間、「姉さん」と慕う伊能恵子キャディーのほおを大粒の涙がつたって落ちた。グータッチを交わし、祝福の拍手に言葉をつまらせながら、何度もおじぎをした。「ありがとうございます。よかった、大ちゃん、よかった」。まるで弟の勝利を喜ぶ姉の姿。コンビを組んで2年目と思えないほど、息のあった2人だ。
167センチの片岡に対し、伊能キャディーは176センチ。まじめで、のめり込む性格の片岡の視野を、明るくて、開けっぴろげな伊能キャディーが広げた。とりあえず1年という約束で昨年、コンビを組んだ。そのシーズンの終わり、片岡からこう言われたという。
「来年、伊能さんがいなかったら、ぼく、どうしていいのかわからない」。途方に暮れている「弟」を放り出せるわけがなかった。
江戸時代の測量家、伊能忠敬を先祖に持つ。キャディーは天職なのかもしれない。しかし、体力勝負の職業から一時は撤退も考えたという。「この世界に大ちゃんが引き戻してくれた。やっと大ちゃんの役に立てた。それがうれしい」。流れる涙をぬぐって笑った。