嵐櫻井&沢が震災犠牲少女追悼サッカー
人気グループ・嵐の櫻井翔(30)と、なでしこジャパンのエースでINAC神戸のMF沢穂希(33)が、東日本大震災で命を落としたサッカー少女のために、追悼試合で対戦したことが10日、分かった。日本テレビ・読売系「24時間テレビ35 愛は地球を救う」(8月25、26日)のドキュメント企画として実現。なでしこメンバーの川澄奈穂美(26)、大野忍(28)らも出場し、ピッチから天国へ思いを届けた。
櫻井、沢らが、ありったけの思いをピッチから天国に届けた。
昨年3月、“未来のなでしこ”が、東日本大震災の犠牲となった。岩手県の女子チーム、水沢UFCプリンセスのエースストライカー・小山史織さん。沢にあこがれ、県大会では得点王に輝き、県選抜にも入るなど将来を嘱望されたが、陸前高田市で被災。17歳の若さで帰らぬ人となった。
「私には夢がある。それはサッカーで日本代表になって、ワールドカップに出場することだ。5年後はきっと日本代表のエースです」。中学の卒業文集にそうつづった史織さんの追悼試合は、現実と向き合い、未来をみつめることを目的とした「24時間テレビ」の企画として持ち上がった。
志半ばで亡くなった史織さんの存在を知った沢は、涙を流して出場を快諾した。今月、兵庫県内で行われた試合では沢、川澄らが所属するINAC神戸と、小山さんの元チームメートらによる水沢UFCプリンセスOGが対戦した。
中学時代にサッカー部だった櫻井も、水沢の一員として特別出場。なでしこの主軸を相手にボールを追った。「沢選手が得点すると、ベンチにいる(史織さんの)ご両親の元に駆け寄られたのがとても感動的でした。ピッチにいる22人、ベンチにいる方、いろんな人の思いがつまったとてもよい試合でした」と振り返った。
ロンドン五輪を目前に控える沢にとっても貴重な時間だった。「きっと天国で史織さんも見ていてくれると思う。大好きなサッカーを私たちがこうやってできるのは当たり前じゃない。今、普通にサッカーができることに感謝しながらこれからも一生懸命頑張りたいです」。震災で夢を奪われた史織さんの分まで、精いっぱいピッチを駆け抜けることを誓っていた。