尖閣混乱…台湾の漁船団、巡視船が侵犯

 沖縄県・尖閣諸島周辺で25日午前、台湾の漁船団約40隻と海岸巡防署(海上保安庁)の巡視船12隻が一時、領海に侵入した。領海を出た後、同日午後、台湾に戻る方角への航行を続けた。領海外側の接続水域内でとどまっていた数隻の漁船や巡視船も午後8時10分ごろまでにすべて退去した。日本政府による尖閣諸島国有化への抗議活動のため、24日に台湾北東部・宜蘭(ぎらん)県蘇澳(そおう)鎮の漁港を出発した漁船団とみられる。尖閣国有化後、船団による抗議活動や、台湾船の領海侵入は初めて。

 相次ぐ中国船の領海侵入に加え、台湾の漁船や巡視船‐。沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の海に、台湾から船が大挙して押し寄せた。それぞれ放水を繰り返す海上保安庁の巡視船と台湾巡視船。第11管区海上保安本部(那覇)の幹部は「船が入り乱れている」と話した。

 午前6時、尖閣諸島沖。約13キロの幅に漁船が散らばっていた。11管本部によると、多くが台湾の旗を掲げ、魚釣島について「台湾のものだ」「防衛を誓う」と書かれた横断幕があちこちに。11管が領海外に退去するよう警告すると、台湾の巡視船は無線や電光掲示板を使って「ここはわが国の海域。正当な業務を行っており、ただちに退去してください」と繰り返した。

 台湾の巡視船3隻は、領海内で日本の巡視船の方向に放水。政府は対台湾窓口機関「交流協会」を通じ台湾側に抗議した。国際法上、他国の公船に放水などの実力行使をすることは認められていない。日本の巡視船は、台湾の漁船に放水した。

 漁船団と巡視船は25日午前7時40分ごろから順次領海に侵入、約4時間後にすべて出た。漁船団は魚釣島の南西約5キロの海上まで接近した後で引き返したという。

 漁民らは国有化により、伝統的漁場とする尖閣周辺海域で操業できなくなる恐れがあるとして、漁業権保護を訴えており、漁船には尖閣諸島について「防衛を誓う」などと中国語で書かれているという。

 蘇澳鎮を出発した漁船団は58隻で、台湾巡視船のほか、台湾メディアを乗せた遊漁船3隻も同行していた。計画では魚釣島の周囲を約5時間航行するとしていた。

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