東京・お台場のフジテレビ本社で２４日早朝、不審な中国人が逮捕される大捕物劇があった。見回りしていた警備員が、敷地内に潜んでいる不審な男性を発見。男は同社の非常階段を上って逃走したが警備員が捕まえ、駆けつけた警視庁湾岸署員に引き渡した。建造物侵入の現行犯で逮捕された男は中国人で、この捕物劇直前に、近くの商業施設で現金約２８万円が奪われる強盗事件が発生しており、同署は関連があるとみて捜査している。

　朝のニュース番組「めざましテレビ」が流れる午前６時ごろ、敷地内では警備員が、侵入者を取り押さえる“めざましい活躍”を見せていた。

　事件は午前６時ごろに発生。同社敷地内にある高さ約１メートル５０センチの植え込みに男が隠れているのを警備員が発見し、「何をしてるんだ」と声をかけると、男は全速で逃走。東側の階段を上り、７階の屋上庭園へと逃げたが、ここで別の警備員に取り押さえられ、湾岸署員に身柄を引き渡した。

　逮捕されたのは、自称東京・台東区在住の林徳銓容疑者（２２）。同容疑者は逮捕時、現金約３０万円を所持していた。同社の防犯カメラには、同容疑者が最初に隠れていた植え込みに入る姿をとらえており、現場には上着とナイフが捨ててあった。

　実はこの事件が発生する前の４時半ごろ、付近の商業施設内で現金約２８万円が奪われる強盗事件があった。飲食店店員がＡＴＭに売上金を入金しようとしたところ刃物のようなもので脅かされ、現金を強奪され、湾岸署はこの事件と関連があるとみて捜査を進めているという。

　同局も、この捕物劇を夕方のニュースなどでトップ報道。防犯カメラに映った犯人を放送し、警備員にもインタビューするなど、中国人男逮捕の模様を詳細に伝えた。お手柄の警備員は、当時の様子を振り返り、「チャイニーズと繰り返していた。（侵入者がいるとの）情報が入ってましたので緊迫した中、逃がさないように対応。怖かったです」と話していた。