兵庫県尼崎市の連続変死事件で、住宅床下から遺体で見つかった仲島茉莉子さん（２９）が２００８年、夫婦で沖縄逃亡直後に連れ戻され、死体遺棄容疑で逮捕された角田（すみだ）美代子容疑者（６４）の指示で、夫の仲島康司容疑者（４３）から激しい暴行を受けていたことが１２日、捜査関係者への取材で判明。美代子容疑者とともに逮捕された複数の親族が供述した。

　捜査関係者によると、茉莉子さんへの暴行後、康司容疑者は美代子容疑者により従順になったといい、尼崎東署捜査本部は、支配を強めるため家族間での暴行を強要したとみて調べる。康司容疑者もマンションにあった小屋に約１週間監禁され、同居人から暴行を受けたという。

　マンションには監禁用小屋が二つあり、監視カメラ付きの小屋には茉莉子さんと安藤みつゑさん（７１）が暴行を受け、同時に監禁されていたことも新たに判明。約１週間で安藤さんが衰弱死、さらに約１週間後、茉莉子さんも衰弱死したとみられる。尼崎市の住宅床下からは２人のほか茉莉子さんの伯父谷本隆さん（６８）の遺体が見つかっており、３人とも暴行後に衰弱死したとみられ、捜査本部は殺人容疑を視野に調べる。