森さん「放浪記」復帰目指し病室で稽古

 10日に肺炎による心不全のため亡くなった女優・森光子さん(享年92)のおいで所属事務所「オフィスモリ」の柳田敏朗社長(63)が15日、都内で会見し、森さんが最期まで舞台「放浪記」への意欲を燃やしていたことを明かした。森さんは病室に「放浪記」の台本を持ち込み、時には一人芝居のようにせりふを語るなど、常に舞台復帰を意識していた。14日に営まれた密葬では、ひつぎに「放浪記」の台本とポスターが納められたという。

 病室でも天国でも、やはり森さんのそばにあるのは「放浪記」だった。柳田社長によると、森さんは今年9月から大事を取って都内の病院に入院していたが、病室の枕元には常に「放浪記」の台本を置いていた。見舞いに訪れた関係者との話題も自然と「放浪記」についてのものになることが多かったという。

 2010年5月に上演予定だった「放浪記」の降板や、11年に計画していた「放浪記」50周年公演ができなかったことがずっと心残りだったようで、復帰を目指して毎日、運動を欠かさなかったほど。柳田社長は「再び舞台に立つという思いが強かったのでしょう」と振り返った。

 森さんは10年2月に「放浪記」の降板を発表。その後は栄養管理の指導を受けるため、短期の入院を繰り返していた。しかし、自宅でも次第に食が細くなり、40キロあった体重も35キロにまで落ち込むなどしたため、9月から長期入院していた。亡くなった10日は付き人やマネジャーと普通に談笑していたが、容体が急変し、そのまま眠るように息を引き取ったという。

 最期をみとることはできなかった柳田社長だが、「手を握って涙ながらに『ありがとう、ありがとう』と言ってくれたことがありました」と故人をしのんだ。

 14日に営まれた密葬には親族や事務所のスタッフら十数人だけが参列した。ひつぎには降板で幻となった10年の「放浪記」のポスターや、09年5月に上演2000回を達成した際の台本が納められた。ほかにも代表作の1つ「雪まろげ」と滝沢秀明(30)と共演した10年1月の最後の舞台「新春 人生革命」の台本も納められ、遺体にはお気に入りだったはぎの花模様の淡い紫の着物が掛けられたという。

 昭和の大女優は大好きな品々を胸に抱いて静かに旅立った。

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