衆院選に向け１１党首による討論会が３０日、都内の日本記者クラブで開かれた。異例の多党乱立で発言時間が限られる中、選挙後の政治の枠組みを意識し、互いにさや当てを繰り返す場面もあった。

　発言の口火を切ったのは民主党代表の野田佳彦首相。社会保障と税の一体改革の取り組みなどを強調し「前に進むか、後ろに戻るかだ」と持論を展開、「脱世襲」も掲げ２世議員の多い自民党をけん制した。

　対する自民党の安倍晋三総裁は「まっとうな政治を取り戻す」ときっぱり。「できることしか公約に書いていない」と手ぶりを交えて語り、民主党のマニフェスト（政権公約）の不履行を厳しく批判した。

　一方の第三極勢力。日本未来の党の嘉田由紀子代表は「１０年後までの原発からの卒業を目指す」と歯切れ良く語った。しかし、それ以外の政策を問われると一転、答えにくそうな表情に。日本維新の会の石原慎太郎代表は、党勢が大幅に拡大しそうかとの質問に「そこまで言えますかな。現実的に考えた方が良い」とけむに巻いた。