徹子、小沢さんに「天国で笑わせて」
前立腺がんのため今月10日に死去した俳優・小沢昭一さん(享年83)の通夜が14日、東京・信濃町の千日谷会堂でしめやかに営まれ、俳優・加藤武(83)、タレント・黒柳徹子(79)ら生前親交のあった芸能人や親族、関係者ら850人が参列した。
棺(ひつぎ)の中で眠る小沢さんと無言の対面を果たした黒柳は「棺の中の顔は二枚目でした。いいお友達でいてくれてありがとう」と、涙をこらえながら語った。戒名は「洽昭院澹然一哲居士」(こうしょういんたんねんいってつこじ)。
50年来の友人である黒柳徹子は祭壇に飾られた遺影に感謝の思いを伝え、静かに手を合わせた。
1961年のNHKドラマ「若い季節」での共演をキッカケに、長年親交を続けてきた。自身の番組「徹子の部屋」に、小沢さんは25回も出演。うち15回は、2人でセーラー服や新郎新婦などのコスプレを披露した。そんなユーモアセンスを持つ小沢さんを、何より敬愛していた。
棺の中に眠る小沢さんとも対面した。「優しくて温かい友達でした。向こう(天国)でいずれまた会うことになるでしょうから、その時は笑わせてほしい」と、天を仰いだ。
俳優、ラジオパーソナリティー、歌手、そして俳句、落語、芸能研究など生前、多彩な才能で幅広く活動していた小沢さん。式場では、生前録音していたハーモニカの演奏に加え、自身が歌う「東京ラプソディ」「私の青空」「ハーモニカブルース」が流された。
祭壇に飾られた遺影は09年に雑誌の対談時に撮影したスナップ写真で、大好きなたばこを吸っているもの。健康のことを考えて周囲が禁煙を勧めても「オレにはコレがいいんだ」と、最後まで聞かなかったという。そのため棺には家族の写真、ラジオの長寿番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の次回収録予定だった台本、ハーモニカ、自身のレコードなどに加え、たばこも収められた。