小沢昭一さん的お別れ…加藤武が弔辞

 前立腺がんのため今月10日に死去した俳優・小沢昭一さん(享年83)の葬儀・告別式が15日、東京・信濃町の千日谷会堂でしめやかに営まれ、女優・草笛光子、俳優・中尾彬ら生前親交のあった芸能人や親族、関係者ら500人が参列した。70年来の親友である俳優・加藤武(83)は弔辞で、小沢さんを「あんたはすごい人だった」とたたえ、最後は小沢さんの長寿ラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」で定番だったエンディングのフレーズを引用し、小沢さんを見送った。

 涙雨が降ってきた。旧制麻布中学時代から70年の付き合いのある俳優・加藤武が、弔辞を読み上げ始めると、天から雨が落ちてきた。加藤が声を張り上げるたび、雨粒は大きくなっていった。

 小沢さんと親友だった加藤は、生前「お前が先に逝ったら、オレが弔辞を読む。オレが先に逝ったら、お前が読め」と約束を交わしていたという。

 弔辞では、悲報が届いた10日、静かに眠る小沢さんの元に駆けつけたときのことに触れ「話しかけても、何も答えてくれなかった。こんな別れはしたくなかった」と悲しみに暮れた。小沢さんの俳優としての熱心なけいこぶりに加え、俳句、落語など多彩な才能を生かした活動。そして放浪芸や芸能史の研究をしてきたことを挙げ、「あんたはすごい人だった」と偉業をたたえた。

 弔辞の最後には、小沢さんの長寿ラジオ番組「‐小沢昭一的こころ」のエンディングの定番フレーズ「○○の心だぁ~!!」を引用。「まだ本当にやりたいことはいっぱいあっただろう。オレも少しやりたいことが残っている。これを終えたら、そっちに逝くので、待っていてちょうだい!の心だぁ~」。そう絶叫で締めくくると、周囲からすすり泣きの声が漏れた。

 出棺の際には、小沢さんが歌い、演奏する「ハーモニカブルース」が流れた。素晴らしいハーモニカの音色をたたえるかのように、500人の参列者からは、自然発生的に大きな拍手が巻き起こり、小沢さんを見送った。

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