三津五郎 勘三郎さん葬儀で涙の弔辞

 今月5日に亡くなった歌舞伎俳優・十八代中村勘三郎さん(享年57)の本葬が27日、東京・築地本願寺で営まれ、関係者約2000人と一般ファン約1万人が参列した。

 弔辞を述べた歌舞伎俳優の坂東三津五郎(56)は、泣き崩れそうになりながら「肉体の芸術ってつらいねぇ。そのすべてが消えちゃうんだもの。本当に寂しい。つらいよ。でも、君はもっとつらい思いをして病と戦ったんだよね。苦しかったろう。つらかったろう」と、いたわった。

 勘三郎さんと同学年の三津五郎は、小学2年生のときに「白浪五人男」で初共演して以来50年間、何度も共演し、認め合い、しのぎを削ってきた。そんなライバルで親友の遺影に「僕は君に遅れまい、離されまいとして、必死に走り続けてきた」と語りかけた。

 子役時代、歌舞伎座の風呂にドライアイスを入れるいたずらをして怒られた話や、高校時代に京都へ2人旅をして、芸妓(げいぎ)からウインクされたことに勘三郎さんが興奮した思い出など、飛びきりの秘話も明かし「君がいてくれたおかげで、この56年間、本当に楽しかった。ありがとうね」と感謝した。

 やはり同い年で、最期をみとった劇作家の野田秀樹氏(57)も弔辞で「安らかになんか眠ってくれるな。化けて出てきてくれ」と、悔しがった。

 25年の親交があり、01年には「野田版 研辰の討たれ」を上演。2人で伝統芸能に現代劇の新風を吹き込んだ。その初日を「戦場に赴く気持ちだった。スタンディングオベーションに抱き合った。僕らは戦友だった」と振り返り「僕たちは勘三郎の死を乗り越えていかなくてはいけないが、できるだろうか」と、声を震わせた。

 ほかに歌舞伎俳優・坂田藤十郎(80)、片岡仁左衛門(68)、女優・大竹しのぶ(55)、迫本淳一松竹社長(59)の4人が弔辞を述べた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス