大島監督死去 妻・明子さん闘病明かす

 亡くなった大島渚さんの妻・小山明子さんは「倒れてからは体の自由が利かなくて大変な日々でしたが、彼の晩年に2人で濃密な時間を過ごせてありがたいと思いました。介護ではやるべきことはすべてやりました。悔いはありません。これまで私が支えてあげたので、これからは彼が私のことをしっかり見守ってくれると思います」と、最愛の夫を見送った心情を吐露した。

 大島さんは96年、英ヒースロー空港で脳出血のため倒れ、2001年にも十二指腸潰瘍穿孔(かいようせんこう)で倒れた。小山さんは一時「介護うつ」に陥りながらも、歩行も会話もままならぬ夫の介護を続けた。06年2月26日には日本映画監督協会創立70周年祝賀パーティーで4年8カ月ぶりに公の場に姿を見せた際には、小山さんが代わってあいさつした。

 長く自宅で療養していた大島さんが変調を来したのは、一昨年10月。嚥下(えんげ)性肺炎で意識がなくなり「2、3日がヤマ」と診断された。その後、意識を取り戻し、担当医らは「奇跡的な強さだ」と驚いた。

 小山さんら家族は「人間らしく晩年を送ってもらう」ことにこだわり、延命治療を行わない緩和ケアを選択。大島さんは呼吸が止まったり高熱を発したりと何度も生命の危機に直面したが、持ち前の体力で乗り切った。

 だが、昨年12月中旬に容体が急変。肺炎と診断された。「あとちょっとでお正月。家族みんな、そろうから頑張って」という小山さんの励ましに「はいっ」と生きる意欲を見せ、家族水入らずで新年を迎えたばかりだった。

 届かなかった「もう一度、奇跡を」との家族の祈り。次男の新さんは「大往生だと思っています」と、言葉少なながらも、大島さんの最後の闘いをねぎらった。

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