阪神・淡路大震災から18年

 6434人の尊い命が奪われた阪神・淡路大震災は17日、発生から18年を迎えた。兵庫県内の各地では追悼行事が開かれ、発生時刻の午前5時46分に黙とう。東日本大震災の被災者も昨年に続き参列し、阪神・淡路の犠牲者に鎮魂の祈りをささげた。神戸市では、震災を経験していない住民が4割を超え、教訓をどう語り継ぐかが問われている。

 阪神・淡路大震災の犠牲者の名前が刻まれた「慰霊と復興のモニュメント」がある神戸市中央区の公園「東遊園地」では「1・17」の形に並べた竹灯籠にろうそくの明かりをともし、発生時刻の午前5時46分に黙とう。

 集会では、長女の真奈さん=当時(10)=を亡くした神戸市東灘区の酒店経営藤本圭子さん(55)が「すべてが昨日のことのよう。命の大切さを伝えたい。忘れないという気持ちで、あの日を語っていきたい」と、追悼の言葉を述べた。

 会社員の岡崎奈津美さん(27)は東日本の被災地である福島県いわき市から参加。「福島でも神戸と同じように記憶を風化させないようにしたい」と話した。

 午後には岩手県宮古市から届いた灯籠と「3・11」の形に並べた竹灯籠のろうそくにも点火。東日本大震災が発生した午後2時46分に黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。

 兵庫県西宮市のパート西田光代さん(55)は、1年前に同じ場所で言葉を交わした岩手県陸前高田市の観光施設職員武蔵裕子さん(52)と再会。「陸前高田のことはずっと気に掛けていると声を掛け、また来年の再会を約束した」と話した。

 武蔵さんも「阪神大震災の18年は絆の素晴らしさを教えてくれたと思う。東日本の教訓も次世代に残さないといけない」と述べた。

 東日本大震災で1229人が亡くなった岩手県大槌町の碇川豊町長(61)も集会に参加。「震災の記憶を風化させないという思いを感じた。苦しい思いを胸に秘めた被災者の境遇は東日本も阪神も同じ。復興が進まない現実に直面し前向きになれないこともあるが、阪神の被災地のように少しずつ歩まないといけない」と、述べた。

 阪神・淡路大震災の追悼行事は東北の被災地でもあり、陸前高田市では神戸から分灯したガス灯「希望の灯り」を住民が囲んだ。宮城県石巻市でも約50人がろうそくを並べ「絆神戸」を表した。

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