麻生副総理「さっさと死ねるように」

 麻生太郎副総理兼財務相が21日、自らの発言を不適当として撤回する騒動があった。高齢者などの終末期医療に関して「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃかなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と発言したもの。その後、「適当でない面もあったと考える。当該部分については撤回する」とのコメントを発表し、「一般論ではなく、個人的なことを言った」と釈明した。

 麻生副総理の不適当発言があったのは、午前の社会保障制度改革国民会議。高齢者などの終末期医療に関し「残存生命期間が何カ月かと、それにかける金が月に一千何百万円だという現実を、厚生労働省も一番よく知っているはずだ」とし、財政負担が重い現状を指摘した。

 患者を「チューブの人間」と表現し「私は少なくとも遺書を書いて、そういうことをしてもらう必要はない、さっさと死ぬからと書いて渡しているが、そういうことができないと死ねません」と語った。

 さらに「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃ、かなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うとますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と述べた。

 発言について、麻生氏は午後「公の場で発言したことは、適当でない面もあったと考える。当該部分については撤回する」とのコメントを発表。「個人的なことを言った。終末医療のあるべき姿について意見を言ったのではない」と記者団に釈明した。

 これに関連し、菅義偉官房長官は午後の記者会見で、麻生氏に電話したところ「個人の人生観を国民会議で発言し、誤解を受けてしまった。大変申し訳ない」と言われたと説明した。

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