橋下市長 島倉千代子の曲を放送中止
大阪市の橋下徹市長(43)の指示で、同市役所で半世紀近くの間、昼休みの合図として流されていた歌手・島倉千代子(74)の歌「小鳥が来る街」が放送中止となったことが24日、分かった。
昨年末に橋下市長がツイッターに「お昼になると変な音楽が庁舎内に流れます」と書き込み、代わりに職員向けスローガンを流すことを宣言したのが発端。大阪市民にはごみ収集車のメロディーとしても親しまれているが、思わぬ“改革”のあおりを食らった格好だ。
大阪市によると、「小鳥が来る街」は1964年に同市が「緑化100年運動」を始める際に、レコード会社から協力の申し出があり制作。島倉が歌い、レコードも発売された。そのころから庁内放送でメロディーを流していたという。
アップテンポで明るい昭和調の曲で、その後は同市のごみ収集車のメロディーにも採用され親しまれていた。
ことの発端は、昨年12月29日、橋下市長がツイッターに書き込んだ「大阪市役所職員には、来年から『前例がない』のフレーズを口にすることは禁止」とのツイート。この「僕の最も嫌いなフレーズ」を“撲滅”するため、翌30日には「大阪市役所は、お昼になると変な音楽が庁舎内に流れます。それを止めて、来年から組織のスローガンを流していきます」と宣言し、スローガン案も書き込んだ。
完全に“名曲”が組織改革のあおりを食らった格好だが、橋下市長は宣言どおり担当部署に変更を指示。その後、今年に入ってからの定例会見で「島倉さんの曲だったので『変な』は取り下げます」と訂正したが、市役所は今月18日を最後に使用を中止し、21日から昼休みの合図をチャイムに切り替えた。同時に朝と昼に「前例にとらわれることなく、担当業務についていま一度、掘り下げて考えましょう」など、職員への意識変革を訴えるアナウンスを流した。
そんな“前例のない改革”に、ある男性職員は「チャイムだと学校みたいで味気ない」と話していた。