小林薫死刑囚ら3人に刑執行

 法務省は21日、確定死刑囚3人の刑を同日午前に執行したと発表した。昨年12月に自民党が政権に復帰し谷垣禎一法相が就任して以降、執行は初めて。死刑が執行されたのは、奈良県で2004年に起きた小1女児誘拐殺人事件の小林薫死刑囚(44)ら3人。谷垣法相は記者会見し「いずれの事件も身勝手な理由で尊い生命を奪った極めて残忍な事案だ」と話した。

 この日死刑が執行されたのは、奈良県小1女児誘拐殺人事件(04年)の小林薫死刑囚(44)=大阪拘置所、茨城県土浦市の連続殺傷事件(08年)の金川真大死刑囚(29)=東京拘置所と、名古屋市のスナック店主殺害事件(02年)の加納(旧姓武藤)恵喜死刑囚(62)=名古屋拘置所。法務省によると、確定死刑囚は統計を取り始めた1949年以降、過去最多の137人だったが、3人の執行で134人となった。

 小林死刑囚は04年11月、奈良市の小学1年有山楓ちゃん=当時(7)=を誘拐し殺害。金川死刑囚は08年3月、土浦市のJR荒川沖駅などで通行人ら2人を刃物で殺害し、7人に重軽傷を負わせた。加納死刑囚は02年3月、名古屋市のスナックで女性店主=当時(61)=の首を絞め殺害した。小林死刑囚は奈良地裁の死刑判決後に控訴を取り下げ、死刑が確定。その後、再審請求をしたが、最高裁が特別抗告を棄却した。

 民主党政権では計9人に死刑が執行された。千葉景子法相(当時)は10年7月の執行後に東京拘置所の刑場を報道機関に公開。制度の在り方を検討する勉強会を設置した。しかしその後、勉強会は廃止され、政務三役会議で議論をしていた。

 谷垣法相は死刑執行命令に関し「裁判所が慎重に判断した結論だ。法務省にも十分検討させ、私も記録を丁寧に読んだ上で判断した」と説明。「人の命を奪う極めて峻厳(しゅんげん)な刑罰で、取り扱いは慎重の上にも慎重を期す必要がある。同時に、法治国家として裁判所が確定した判決を厳正に執行していく必要もある。今後とも極めて慎重、厳正に対応していく」とした。

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