旧ライブドア（ＬＤ）の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反の罪で懲役２年６月の判決を受け服役していた堀江貴文元社長（４０）が２７日、長野刑務所から仮釈放され、夜、都内で会見した。約１年９カ月ぶりに公の場に姿を現した堀江元社長は、３０キロも体重が減り、全身スッキリ。「この日を迎えたのは万感の思い」と語るなど、７０分にわたり思いを吐露した。今後はネットニュースなどの事業に加え、社会貢献事業などの活動をしていくことを明かした。

　顔も体もスリムになっていた。１年９カ月の服役生活で、収監時に９５・７キロあった体重が３０キロ減ったといい、現在は６５キロ程度に。堀江元社長は「高校、大学時代の外見はこんな感じだったので、戻った感じ。事業のストレスで太ったのです」と苦笑いで説明した。

　「時代の寵児」ともてはやされた派手な生活から一転、約１年９カ月の刑務所生活は質素だった。出所前の食事は「ご飯と味噌汁と納豆」で「ダメだった納豆も週２回出て食べられるようになった」そう。刑務所内では工場の衛生係を担当。食事の配膳（はいぜん）、洗濯物の管理、同じ職場の高齢者、障害者らの世話をしてきた。この生活が“ダイエット”となった。出所後、最初の食事は「マクドナルドでてりたまバーガーセット」。「刑務所では出ない生もの。すしを食べたい」と笑った。

　会見では「社会の皆さま、株主の方に迷惑をおかけして、深く反省している」と謝罪したが、一貫して無罪を主張していたこともあり、「取り調べや有罪への持っていき方に問題があった。自身が考える正義が、絶対的でないことを自覚してやってもらいたい」と検察をチクリ。今後は、メールマガジンに加え、ネットニュース批評のサイトを立ち上げるという。さらにロケット開発事業、社会貢献活動として、犯罪者の再犯を防ぐ更正保護の活動など行っていくという。

　口調も、落ち着いていた。「ネットやスマホなど、当時、自分がやろうとしていた世の中になっている。自分は早すぎた。世の中に刺激を与えすぎた。反省している」と“世俗”を離れている間に達観したような様子も見せていた。