18歳双子少女、出刃包丁で恐喝
男やもめの心のすき間につけ込んだのは、双子の少女だった。兵庫県相生署は7日、「体を触った」と、年金暮らしの知人男性(68)を脅して現金を奪ったとして恐喝などの疑いで、いずれも無職で18歳の双子の姉妹=兵庫県相生市=を逮捕した。
同署によると、男性は双子と食事などをする仲で、貢いだ金額はおよそ4~500万円だという。姉妹は「身に覚えがない」と、容疑を否認している。
被害男性は妻に先立たれ、現在は一人暮らし。昨年3月ごろ、スナックでアルバイトしていた双子の妹と知り合った。男性にとっては孫と言ってもおかしくない年齢だったが、派手な感じではなく、「ごく普通の18歳の子」(相生署)だったことから、男性は気を許したようだ。
男性は話をしているうちに、彼女が双子であることを知る。一人暮らしの寂しさからか、昨年から今年にかけて姉妹を連れて食事に出掛けたり、小遣いとして現金を与えたり、服を買い与えたりしていたという。
男性は年金暮らしだったこともあり、そんな“ミツグ君”生活が長続きするわけもなく、貯金が底をついた。それでもお金をせびる双子に「渡すお金はない」と断ったところ、双子は立腹。3月1日、男性宅に乗り込み「体を触ったことを警察に言うぞ」と出刃包丁をこたつに突き立てて脅し、亡き妻名義の定期預金約500万円の解約を迫った。
その際、「いつまでに解約してお金を持ってこい」と、具体的に指示。渋る男性の頭をスリッパでたたき、家にあった現金6千円を奪ったとされている。直後、男性が自分の姉に借金を頼み、男性の口座から多額の金が引き出されているのに気付いた姉が、男性を連れて同署に相談した。
逮捕された双子の妹は「小銭は持って帰ったのは間違いないが、脅してはいない」と供述。姉に至っては「身に覚えがない」と、容疑を否認しているという。