仲代達矢NYで黒澤映画語る
米ニューヨークの「映像博物館」で15日(日本時間16日)、シェークスピアの悲劇「リア王」を翻案した映画「乱」(黒澤明監督、1985年)の上映会が開かれた。主演した俳優・仲代達矢(80)が駆け付け、撮影の裏話を明かしたり役者人生を振り返ったりして映画ファンと交流した。
「乱」は、仲代演じる戦国時代の武将が、家督を譲った長男らから裏切られ、非業の死を遂げるストーリー。仲代も客席で鑑賞した。
仲代は城が燃えるシーンについて、城の製作費が約4億円に上ったため「黒澤さんは私に『(撮影の際)絶対転ぶなよ。ひと転び4億円だぞ』と(念を押した)」と明かし、笑いを誘った。
また「黒澤さんは(自分より)三船敏郎さんとのコンビ(の方)がもっと素晴らしかったんだろう」と振り返り、謙そんする一幕も。
仲代は「シナリオ、撮影、俳優、照明の全部が大好きなのは、私を発掘してくれた小林正樹監督とコンビを組んだ映画『切腹』(62年)だ」とも述べた。