やなせ氏 本仮屋ユイカに“改名”打診
「アンパンマン」で知られる漫画家のやなせたかし氏(94)が16日、都内で行われたアニメ映画「それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ」(7月6日公開)の完成披露試写会に出席し、94歳とは思えぬ元気いっぱいの姿を見せつけた。毎年恒例となった、歌を歌いながらあいさつする“歌謡ショー”をお披露目すると、声優として出演した女優の本仮屋ユイカ(25)には“改名”を打診。“やなせワールド”全開で、健在をアピールした。
国民的アニメを通じて全国の子どもに愛と勇気を届けてきたやなせ氏が、エネルギッシュな舞台あいさつで盛り上げた。
黒地に紅白の人型をちりばめたド派手なスーツとハンチング姿で登場すると、15年前から定番となった歌いながらのあいさつに突入。「♪わたしも94歳になりました~。世界の漫画家で一番の老人になりました~」などと、自己紹介と作品のアピールを交えながら約5分間、“歌謡ショー”を展開した。
元気いっぱいのやなせ氏だが、冗談交じりに「もうすぐ死ぬんだよ。体中が悪い。情けない」とニヤリ。続けて「でも、死ぬように見えないだろう」と、ワイルドに言い放った。
司会者の声が聞きづらい様子で、本仮屋からの耳打ちで内容を確認する場面もあった。それでもやなせ氏の口はなめらかだった。「本仮屋さん、長い名前だな~。仮屋にしよう」と打診すると、本仮屋は「きょうは仮屋にします」と、一日限定で快諾。“69歳差コンビ”の絶妙な掛けあいに、家族連れら1000人が笑い声を上げた。
本作は「アンパンマン」の映画およびテレビ化25周年記念作品。本仮屋は今作でアニメ映画の声優に初挑戦し、ゾウの男の子・パオ役を演じた。やなせ氏は本仮屋を「ゾウの声は難しかっただろう。よくできていました」と、ねぎらっていた。