西田、三国さんと交流は現場のみの訳…

 今年4月に亡くなった俳優・三国連太郎さん(享年90)のお別れの会「三國連太郎 海峡を渡る日」が19日、都内で営まれ、22年にわたり「釣りバカ日誌」シリーズで共演した俳優・西田敏行(65)は「スーさんどうして逝っちゃうの」と別れを惜しんだ。この日は山田洋次監督(81)、俳優・津川雅彦(73)ら約800人が参列。喪主を務めた長男で俳優の佐藤浩市(52)は、俳優としての偉大さとは裏腹に家族の思い出がないことを告白し、切なさをにじませた。           

 1988年の「釣りバカ」シリーズ第1作から09年の最終作までスーさん、ハマちゃんとしてコンビを組んだ西田は「スーさんどうして逝っちゃうの。もうカメラの前に立ってスーさんハマちゃんとして映画を撮ることはないの」と、かけがえのない相棒を失った悲しみを表現した。

 長年の名コンビだが、交流は現場のみでプライベートでの交際はなかったという。「三国さんが『なれ合っちゃうので普段の付き合いはやめておこう』とおっしゃられてね。でも役者として潔いと思いました」と、三国さんの決意をくみ取った。ハマちゃんの妻・みち子さんを演じた女優・浅田美代子(57)は「お孫さんへの笑顔は優しかったですね」と、チラリとプライベートを目撃したことを明かしたが、西田は「本名の佐藤政雄が顔を出すことはなかったですね」と振り返った。

 三国さんは佐藤政雄として出演した映画デビュー作「善魔」(51年)で演じた役名・三国連太郎を、その後も芸名として使用した。西田は「警察日記」(55年)、「ビルマの竪琴」(56年)、「切腹」(62年)などのタイトルを次々と挙げ「すべて(佐藤政雄でなく)三国連太郎が演じました」と、俳優に徹した三国さんを称賛。唯一無二の存在だった三国さんの祭壇に向かい「同じ時代を生きた後輩としての誇りを胸に、役者道を命尽きるまで歩むことを決心しました」と宣言した。

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