秋田書店、不正を訴えた女性社員を解雇

 「週刊少年チャンピオン」やコミック単行本を出版する秋田書店(東京)が、漫画雑誌の読者プレゼントの当選者数を水増しした問題で、同社が社内で不正を訴えた女性社員(28)を昨年、プレゼントを盗んだとして懲戒解雇していたことが21日、分かった。

 女性は事実無根として解雇撤回を求める訴訟を近く起こす方針。秋田書店は20日に、消費者庁から景品表示法違反にあたるとして再発防止を求める措置命令を出されていた。

 懸賞品の当選者水増し問題発覚で大揺れの秋田書店に、またも激震が走った。社内で水増しの不正を訴えた女性社員が、昨年、プレゼントを盗んだとして懲戒解雇されていたことが判明。事実無根として解雇撤回を求める訴訟を起こすことを、女性が加盟する労働組合「首都圏青年ユニオン」が明らかにした。

 ユニオンの武田敦委員長によると、女性は不正のあった雑誌でプレゼント業務を4年以上担当。引き継ぎで水増しを知り、上司にやめるよう訴えたが「会社にいたかったら文句を言わずに黙って仕事しろ」と言われたという。

 女性は不正に携わるうちに睡眠障害や適応障害を発症し、2011年9月から休職。12年2月29日に「適切にプレゼントを発送しなかった上、プレゼントを窃取した」とする解雇通知を受け、翌月末解雇された。

 女性は「業務はきちんと遂行していた。窃取は一切していない」と主張。武田委員長は「会社側は不正を訴えた女性が煙たく、辞めさせたかったのだろう」と指摘した。

 秋田書店は「(女性は)あたかも不正を指摘し、改善を訴えたため解雇されたなどと主張しているが、理由は賞品を不法に窃取したことによるものだ。法廷で事実関係を明らかに、正当性を証明する」とのコメントをホームページに公表した。

 消費者庁によると、水増し問題があったのは、10年5月から12年4月に発売した女性向け漫画雑誌の「ミステリーボニータ」「プリンセス」「プリンセスGOLD」。雑誌のアンケートはがきを送ると、抽選で家電製品などが当たるとしていたが、実際の発送人数は記載した当選者数より少なく、発送しないこともあり、誌上発表の当選者名には架空の人物名も使用していた。

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