大手3社で「iPhone戦争」ぼっ発
携帯電話大手3社は20日、米アップルの人気スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新機種を全国の主要店舗などで午前8時に発売した。NTTドコモがiPhoneを販売するのは初めてで、ソフトバンクモバイルとKDDI(au)が迎え撃つ三つどもえの構図だ。3社はこの日の朝、都内各所で、それぞれの社のCMに出演している人気の芸能人を投入して、発売を記念するイベントを華々しく開催した。
東京・アップルストア銀座の前には何日も前から行列ができ、開店の午前8時前には約500メートルに達する人気の過熱ぶりだった。東京・ドコモショップ丸の内店に現れたドコモの加藤薫社長は「文字通り幕が切って落とされた。お待たせしました」と話した。
大手3社とも一部の端末価格を、2年契約などを条件に「実質負担額0円」に設定。序盤から顧客獲得競争が激しくなっている。
ドコモはiPhone販売で先行したライバル2社への顧客流出が続いており、これまでに失った顧客を引き戻したい考えだ。ただ、ドコモまでがiPhoneに力を入れれば、国内の端末メーカーに大きな影響が出る可能性がある。
3社の競争はいよいよ本番を迎えた。しかし、料金面ではまだ大きな差がなく、ほぼ横並びといえる。各社とも各種キャンペーンに力を入れており、顧客は判断に悩みそうだ。
基本の定額データ通信料なども3社が同額だ。顧客が実際に毎月、支払う額は各種キャンペーンの適用で大きく変わる。組み合わせが複雑で、料金の差は一層分かりにくくなる。ドコモは他社からの乗り換えを促す施策に力を入れ、残りの2社は既存顧客をつなぎとめる施策が目立つ。
新型iPhone購入のため、行列する人々=東京・有楽町