堺正章&井上順 スパイダース復活熱望
1960年代のグループサウンズ(GS)ブームをけん引した元ザ・スパイダースの堺正章(67)と井上順(66)が、ムッシュかまやつ(74)を加えた3人でのコンサート「スペシャルコンサート~あの時君は若かった~」(11月5日・大宮ソニックシティ)を前にこのほどデイリースポーツの取材に応じ、再結成への思いを語った。
3人でのコンサートは今年になって解散後初めて開催され、すでに3公演を終えているが、堺は「また7人でやるのが夢」と、スパイダースの復活を熱望した。
堺は「夢としてはありますよ。みんな元気なうちにやらないとね。ある意味(人生の)カウントダウンに入っている部分がある。どこかでやれたらいいな」と、ゆっくりとした口調で再結成への思いを明かした。井上も「7人が元気で、自分の持っている力を存分に出せるコンサートができたら最高ですね」と、その時を思い浮かべた。
これまでテレビ番組の企画などで再結成したことはあるが、コンサートとなると20年以上も7人が一堂に会したことはない。1970年に解散後、メンバーはそれぞれの道を歩んでいる。「やるからにはただ顔をそろえるのでなく、しっかりした形にしなければいけない」(井上)との思いもある。年齢も全員が60代半ばを超えた。チャンスは限られている。
今回は当時、軽快なトークで人気を博した堺、かまやつ、井上によるコンサート。すでに東京、名古屋、大阪で開催し、今回の大宮公演がラストとなる。実は7人での再結成コンサートのプランもあったが、それぞれの事情もあり実現はしなかった。それでも「これが何かの伏線になり、7人が集まることができれば、やった意味がある。お客さまにも、他のメンバーにもメッセージを届けたい」(堺)という思いでステージに立つ。
同じくGSブームをけん引したザ・タイガースは今年12月、オリジナルメンバーで東京ドーム公演を行う。「原点に戻ってやれるのはうらやましい」(堺)と言う。ただ、今回の3人での公演も「あと4人いればスパイダースの公演。でも、3人だけで十分スパイダースの味を出せている」(堺)と、当時のままの姿を存分に届けている。
ステージに立つと、井上は「一瞬にして昔に戻れた」と言い、堺も「当時のそれぞれのポジションに自然と戻る。当時やっていたことがしっかり残っている」と言う。
こんな機会を「今後も続けたい」と堺。再結成という、大きな夢の実現のためにも…。