勘九郎&七之助 辛い“最後の別れ”
昨年12月5日に57歳で亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さんの一周忌法要と納骨式が27日、東京都台東区の西徳寺で営まれ、遺族や関係者、知人ら約150人が参列した。
歌舞伎俳優で長男の勘九郎(32)は、次男の七之助(30)とともに「手を取り合って歌舞伎の道を精進して行きたい」とあいさつした。しかし、約1年間、家に“居た”父との最後の別れに寂しさは隠し切れず、報道陣の前では無言を貫いた。
勘九郎と七之助は勘三郎さんが亡くなって以降、どんなときでも気丈に報道陣に対応してきたが、この日ばかりは最後まで無言のままだった。
勘三郎さんの遺骨は昨年12月27日の葬儀後も自宅に安置されていたが、納骨が終われば父は家にいなくなる。“最後の別れ”はやはりつらかったようで、当初は取材対応する予定だったが、関係者を通じて急きょ「きょうは勘弁してほしい」と意向を伝えてきた。
納骨式には尾上菊五郎(71)、松本幸四郎(71)、膵臓がんを切除し療養中の坂東三津五郎(57)ら歌舞伎俳優、勘三郎さんと親交の深かった女優の大竹しのぶ(56)、演出家の野田秀樹氏(57)ら約150人が参列。
勘九郎はあいさつで「1年がこんなに早く感じたことはありません。あっという間に父がいない1年が過ぎてしまったことを感じます。これからも(七之助と)手と手を取り合って歌舞伎の道に精進していきたい」と気丈に話し、中村屋(中村家の屋号)をもり立てていくことを誓っていた。
遺骨は「花」「力」「日本」「歴史」をイメージした縄文土器風の骨つぼに納められ、勘三郎さんの父で1988年に亡くなった十七代目勘三郎さんと同じ墓に納骨された。
この日を納骨の日に決めたのは勘三郎さんの妻・好江さん(54)。命日の12月5日が歌舞伎の公演中のため前倒しした形だが、この日は勘三郎さんと好江さんの33回目の結婚記念日でもあった。