佐村河内氏 謝罪一転“反論会見”
ゴーストライターに代作させていたことが発覚して騒動になっている作曲家の佐村河内守氏(50)が7日、都内で会見した。発覚後、初めて姿を現した佐村河内氏はトレードマークの長髪を切るなど大きくイメチェン。謝罪する一方、代作していた作曲家の新垣隆氏(43)や義母を名誉毀損(きそん)で訴える意向を示した。再検査で「聴覚障害に該当しない」と診断されたことも明かし、障害者手帳は既に返納したことも認めた。
別人のようだった。長髪は切られて七三分けになり、ヒゲがそられた顔はややぽっちゃり。サングラス、指や手首に巻かれていた包帯、つえも消えた。
会見は手話通訳と向かい合う異例のスタイルでスタート。佐村河内氏は冒頭こそファンや関係者、フィギュアスケートの高橋大輔選手らに殊勝に謝罪したが、新垣氏の名はなし。疑問や怒りの矛先を向け、提訴まで口にした。謝罪会見は18年間“共犯関係”だったゴーストライターへの反論会見に変貌した。
佐村河内氏は新垣氏が2月6日の会見や週刊誌上で「もうこんなことはやめましょうと何度も言った」と話したことを「ウソ。『新潮45』に私の批判記事が載ったときの1度きり」と否定。作曲依頼のギャラ交渉で提示に「う~ん」と2度首を横に振り、金額を2回つり上げるとようやく応じる様子を身ぶりを交えて説明し、金の亡者ぶりを強調した。
作品を佐村河内氏が修正したという新垣氏のコメントを「一度もない」と否定し「新垣さんがウソをついている?」との問いに「はい。新垣さんを名誉毀損で訴えます」と明言。会場はどよめいた。
新垣氏が会見で「(18年間)聞こえていたと思う」と話したことも、不快な表情で否定。「師匠の三善晃氏に代作がばれると恐れていたのになぜ」と、暴露に疑問を呈した。
佐村河内氏は、取材に「電話にはいつも守が出る。ウソつき」と断じた義母に対しても「発言はウソ八百」と、妻が名誉毀損で提訴する意向を示した。「妻はゴーストライターの存在は知らなかった。妻からは『一番だまされていたのは私』としかられた」と強調。佐村河内氏が離婚を申し出ても拒否されたという。なお、妻と義母は1995年から絶縁しているという。
曲の題材にされた東日本大震災の被災者や被爆地・広島への謝罪を求める声に、ふてくされるような態度も。154分に及んだ会見でも、汚名は払しょくできずに終わった。