STAP論文、小保方さんら論文撤回へ
STAP細胞の論文問題をめぐり理化学研究所の野依良治理事長らが14日、都内で会見し、論文を作成する過程に重大な過誤があったと発表した。当初「生物学の常識を覆す」とされたSTAP細胞は、発表から1カ月余りで存在が科学的に揺らぐ事態となった。
研究の中心となった小保方晴子研究ユニットリーダーと、小保方氏が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長ら共著者3人は、論文取り下げに向けた作業を進める意向を文書で明らかにし、「心からおわびする」と謝罪した。
理研の中間報告は、小保方氏の博士論文の画像が流用されたとの指摘は「同一のデータと判断せざるを得ない」と認定。野依氏は「未熟な研究者が膨大なデータを集め、取り扱いが極めてずさんだった。責任感が乏しかった」と原因を分析した。理研によると、小保方氏は画像の切り貼りを「やってはいけないことという認識がなかった」と説明。小保方氏は今精神状態が良くないといい、論文撤回を勧められた際には、消耗した様子で「はい」と答えたという。小保方氏は現在、研究活動を停止していることも明らかになった。