理研の笹井氏「STAPは有力な仮説」
STAP細胞の論文問題をめぐり、共著者の1人で理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)が16日、都内で会見した。
笹井氏は約3時間半の会見で、論文が疑惑を招いたことを謝罪しつつも、責任逃れと思われる発言が相次いだ。また、STAP細胞については、「STAP現象は現在最も有力な仮説と考える」と、存在する可能性を強調した。
笹井氏は冒頭、「多くのご心配や疑惑を招く事態となったことを、心からおわび申し上げます」と謝罪し、小保方晴子研究ユニットリーダー(30)の論文から不正を見抜けなかったことにも「共著者として心痛の極み」と反省の弁を述べた。
しかし、その一方では、責任逃れとも受け取れる発言を連発。小保方氏の論文作成に指導的役割を果たしたとされるが、「私が関わったのは(論文の)最終段階」と釈明した。
また、主要な実験は、小保方氏が、理研の若山照彦氏(現山梨大教授)の研究室で実施したと強調。「若山氏がデータを見ていると思った」と話した。
論文の不正に気付かなかった理由を、実験の生データやノートを見る機会がなかったからとし、「(小保方氏は)研究室の直属の部下ではなく、『ノートを見せろ』なんていうぶしつけなお願いは難しかった」と話した。
同氏は、「STAP現象」の有無については、「STAP以外では容易に説明できないデータもある」と強調し、「検証する価値のある最も有力な仮説だ」とその存在の可能性を示唆した。
小保方氏がSTAP細胞の培養を200回成功させたと発言したことについて、「彼女なりのルーティンが頭の中でできているんでしょう」と小保方氏をフォローする場面も見られたが、「集中力は高いが、トレーニングが足りなかった」と小保方氏の未熟さを指摘した。
一部で小保方氏との「不適切な関係」を報じられたことに、質問が及んだが、笹井氏は「ありません。誤った報道です」と険しい顔で否定した。