ＳＴＡＰ細胞の論文問題で理化学研究所は２５日、小保方晴子氏の研究不正を認定した調査委員会の委員長を務める石井俊輔上席研究員が委員長を辞任すると発表した。自身の論文にも画像の切り貼りなどの疑念が指摘されたため、辞意を申し出て認められた。

　理研は石井氏への疑念に対し予備調査に乗り出し、後任の委員長には委員から渡部惇弁護士を選んだ。調査委は、小保方氏の不服申し立てを受けて再調査に乗り出すかどうか審査中で、判断の時期にも影響を与えそうだ。

　石井氏は自身の研究室のホームページで、画像を切り貼りして文章の説明の順番通りに入れ替えていたことが分かったと説明。論文を掲載した医学誌の出版元から修正の許可を得たことを明らかにし、研究不正ではないと強調。石井氏は「疑念を抱かせ、ご迷惑をかけたことを深くおわびする」としている。

　画像の切り貼りは、小保方氏が執筆したＳＴＡＰ細胞論文でも発覚。調査委は１日に発表した最終報告で「きれいに見せたいという目的で行われた加工で、改ざんに当たる」と認定していた。