若田さん宇宙から帰還「地球は古里」

 日本人初の国際宇宙ステーション船長を務めた若田光一さん(50)が14日午前10時58分、ソユーズ宇宙船で半年ぶりに中央アジア・カザフスタンに帰還した。宇宙船から出た若田さんは日本語とロシア語で「ありがとう」と笑顔で応じ「地球は掛け替えのない古里だと思う」と感想を話した。今回の宇宙滞在は188日で1回の飛行としては日本人最長、通算の滞在日数は348日となった。

 若田さんは同日午前4時25分ごろ、笑顔で手を振ってステーションに別れを告げ、米国とロシアの飛行士と共に3人で宇宙船に搭乗した。宇宙船は同7時36分にステーションを離脱し、大気圏に突入。パラシュートを開いて、草原に着陸した。

 宇宙船から抱え出された若田さんは手を振り元気な様子。草原に用意された椅子に座り、支援チーム員と笑いながら会話をしていた。医学チェックの結果、健康状態に問題はないという。

 若田さんは着陸地で「無機質な国際宇宙ステーションにいたので、草原のそよ風に迎えられた感じ。やっぱり地球はいいです」と、地上の空気にほっとした様子。「ステーションの半年間で、地球を3千周ぐらいした。地球は掛け替えのない古里だと思う」と、感慨深げだった。

 若田さんは昨年11月、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から出発し、長期滞在を開始した。ことし3月9日に第39代船長に就任、5月13日まで66日間務め、米航空宇宙局(NASA)のスティーブン・スワンソン飛行士に引き継いだ。

 若田さんは滞在中、得意のロボットアーム操作で故障修理のために船外活動した飛行士を支援。アイソン彗星(すいせい)の撮影や、超小型衛星の放出に取り組んだ。船長を務めた2カ月間も乗員をまとめてステーションの運用や科学実験などの任務を着実にこなし、日本人飛行士に対する評価を高めた。

 若田さんはヘリコプターで近くのカラガンダ空港に移動。米航空宇宙局(NASA)の専用機で本拠地の米テキサス州に戻り、地球の重力に慣れるため約1カ月半のリハビリ生活に入る。

 今後の日本人飛行士は2015年6月ごろに油井亀美也さん(44)が、16年6月ごろに大西卓哉さん(38)がそれぞれ初飛行し、ステーションに長期滞在する予定。

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