川栄16位で初の選抜入り「神様が喝」
「AKB総選挙」(7日、味の素スタジアム)
ビッグサプライズだった。ステージに現れた川栄に誰もが目を疑った。事件から2週間。ファンの前に出てきた川栄のその顔は、すでに涙でぬれていた。
欠席が伝えられる中で16位となり、初の選抜入りを果たした。大躍進だったが、本人不在とあって司会の徳光和夫アナウンサー(73)は15位の名前が書かれた封書を開け、次に進もうとしていた。そのとき、関係者が川栄の到着を告げた。
どよめく場内。川栄は舞台正面の入り口から登場し、5秒間、深く、長く頭を下げた。駆けつけたため私服にピンクのレインコート姿。右手の包帯が痛々しい。マイクの前で心を落ち着かせると、たまっていた思いをスピーチに乗せた。
「私はすごく元気です」と笑顔で切り出した。続けて、「速報が45位で毎日クヨクヨして、毎晩泣いていました。この1年何をしていたんだろうって。そんなときに今回のことが起きて、神様が喝を入れてくれたんだと思いました」。事件をポジティブ思考で受け止めた。卑劣な犯罪に負けず、前を向いた。
川栄だけでなく、同じく事件に巻き込まれた入山も大きく順位を伸ばした。昨年30位から20位となり、アンダーガールズ入り。まだ治療中のため電話での出演となったが「今回のことで心配をかけて、すみません。元気です」と無事を伝えた。順位のついたメンバーが不在なのは、総選挙6回目にして初。2人を心配するファンの気持ちが票に乗り移り、見事な飛躍を遂げた。
「怖かったでしょ?」と徳光アナから尋ねられた川栄は「全然、大丈夫です!」と笑顔を見せた。