Toshl告白(1)元妻と宇宙的犯罪者

 ロックバンド・X JAPANのToshl(48)が、1997年から12年間、元妻に誘われた自己啓発セミナーに傾倒し、主宰者と元妻に暴力支配を受けた詳細を、自著「洗脳 地獄の12年からの生還」(講談社)で告白している。08年のX JAPAN再結成後も続いた、酷使と搾取の日々。地獄から生還したToshlがデイリースポーツに、暗黒の日々を赤裸々に明かした。

   ◇ ◇

 (93年にオペラ共演で知り合った元妻と97年に入籍。元妻の望むとおりに、X JAPANを脱退したToshlは、誘い込まれた自己啓発セミナーに傾倒していった)

 ‐そもそも当初、セミナーへの疑念は抱かなかったのですか。

 「一番最初は疑念はありました。入り口の説明会や、主宰者のコンサートの様子を見て、変な宗教なんじゃないか、おかしいんじゃないかと。(団体の人々が)泣いてる姿を見たりしてそう思ったんですが、そこに当時の妻がいて、彼女のことをすごく信じてましたので、疑念を持てないというか。それが長く抜けられなかった一番の要因ですね」

 「僕ひとりなら、例えそこに陥ったとしても、恐らくもっと早く抜け出せていたのではないかと思います」

 ‐X JAPANを脱退する以前、他のメンバーはToshlさんの変化を感じていたのでしょうか。

 「僕のステージ上での容姿が変わっていったり、活動とか雰囲気も含めて、変わっていく様子は、みな分かっていたと思います」

 ‐直接それを問われたことはありましたか。

 「バンドのイメージがあるので、自分がメークをとって行ったり、髪の毛を戻して行ったりとか。その時に、ちょっとその格好はどうなのということを、やめろとは言わないが、どうなんだというメンバーの意見はありました。直接言ってくるのは、やはりYOSHIKIでしたね」

 ‐それにどう返したのですか。

 「別に、そんなことない、と」

 (セミナーに傾倒した結果、主宰者と元妻の監視下に置かれ支配された12年間。X JAPANを「宇宙的犯罪者」だとすり込まれ、日常的に「お前はエゴが強い」「醜い」と罵倒され、抵抗すれば容赦ない暴力制裁が待っていたという)

 「僕の個人的な見解ではありますけど、一番最初(元妻とのオペラ共演前)から僕を取り込む狙い、金づるとしての狙いがあったのではないかという気はしています。そうするといろんな疑問がすっきりするというか…。残念ながらそうなんじゃないかなと思っています」

 ‐セミナーの主張や、罵倒や暴力という世界は異様にも映りますが、セミナーの言うことを100%信じた時期はあったのですか。

 「100%信じていた時期もあります。99年から2001年、そのあたりでしょうか」

 ‐著書では98年に亡くなられたhideさんの葬儀に参列した日の朝も、セミナーで罵倒、暴力を受けていたと。何度か、ふと我に返るタイミングはなかったのでしょうか。

 「いろんな意味で『えっ』と思ったりはあるんですが。そういう疑念を持つこと自体が悪だと、最初に信じ込まされますので、『えっ』って思うこと自体が彼らの言うところの自我が強い、エゴが強い、醜いということになるんです」

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