Toshl告白(3)YOSHIKIへの告白

 ロックバンド・X JAPANのToshl(48)が、1997年から12年間、元妻に誘われた自己啓発セミナーに傾倒し、主宰者と元妻に暴力支配を受けた詳細を、自著「洗脳 地獄の12年からの生還」(講談社)で告白している。08年のX JAPAN再結成後も続いた、酷使と搾取の日々。地獄から生還したToshlがデイリースポーツに、暗黒の日々を赤裸々に明かした。

   ◇ ◇

 ‐セミナーによって家族とも切り離された時期に、お父さんが03年に亡くなられています。もし、お父さんの声が耳に届けば、との思いはありますか。

 「父はそれまでも病気を患っていて、半身不髄で失語症で言葉が出なかったものですから。今思えばやはり父が達者でいてくれて、何かコミニケーションがとれていたらと。僕は父が大好きでしたから悔やまれます」

 「父は公務員で地味な性格で、目立たずともコツコツ努力するタイプで、僕はそういうのをすばらしいなと思う。そういう風に生きてきた彼の、なにかちょっとした言葉でも聞けていたら、また違う道があったかもしれないと思います」

 ‐セミナーから脱却後、ご家族との関係は取り戻せたのでしょうか。

 「いや取り戻してないです。家族仲良くするのが一番いいに決まってるんですが僕も破産して、一文無しの僕に家に戻っても居場所はなかったですし。しこりというか、残念ながら疎遠になってます」

 (07年、セミナー側主導でのX JAPAN再結成に動くよう指示されたToshlは9年半ぶりにYOSHIKIに連絡を入れた。米国で再会したYOSHIKIは多くを尋ねず、最終的には自身の仕掛けで動いた。その際、YOSHIKIはToshlに「本当に信頼してもいいよね」と問いかけ、珍しく幼なじみだった頃の昔話をしてきたという)

 ‐YOSHIKIさんが「信用していいんだよね」と聞いてきて、それに「大丈夫」と答えられています。

 「そこが一番、彼が聞きたかったところだったんじゃないかなと思います」

 ‐セミナー側の思惑を隠しているという、後ろめたさはなかったですか。

 「ありましたね。やっぱりどっか、何かが引っかかっているというのは、常にありました」

 ‐いずれ謝罪しようと思っていたのですか。

 「その時は、まだなかったですね。当時、僕はまだ半分以上、向こう側の人間でしたので」

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